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地球はホントに暑くなっているの?

温暖化の原因は人間の活動!?

 160億トン。この数字は、地球温暖化の原因のひとつと言われる二酸化炭素が1年間に増えている量です。なぜこんなに増えているのでしょうか? それは私たち人間が大量の化石燃料=石油、石炭、天然ガスを掘り出し、燃やすことで、二酸化炭素やメタンなどのガスを空気中に放出してきているためです。二酸化炭素やメタンなどの気体は熱を吸収する性質があるために、大気中の濃度が濃くなり過ぎると、地球がどんどん温かくなってしまいます。これが今、多くの科学者たちが考えている地球温暖化の仕組みです。つまり!私たち人間の産業活動が、地球温暖化の直接的な原因となっている可能性がとても高いのです。

キーリング曲線 キーリング曲線(二酸化炭素濃度の変化)
1957年にアメリカの科学者チャールズ・キーリングがハワイ島のマウナロア山の頂上で二酸化炭素濃度の測定を始めました。この測定は、40年たった今も続けられていて、結果は一目瞭然。二酸化炭素の濃度が上昇し続けていることを示しています。
北半球の平均気温の変化 北半球の平均気温の変化(過去1000年)
20世紀の後半から急激に気温が上昇していることがわかります。人間の産業活動が、気温上昇の原因になっていると考える科学者が多くなってきています

 一般の人が「地球温暖化」という言葉をよく耳にするようになったのは1988年のこと。アメリカの議会でNASAのジェームズ・ハンセンという科学者が「地球は確実に温暖化している!」と発表し、それをマスコミが大々的に報道したことで、世界的に「地球温暖化」が知られることになりました。

 さらに、地球気候を研究する科学者や政府関係者が集まって、気候変動に関する全世界の研究成果をとりまとめているIPCC(気候変動に関する政府間パネル)という組織が、2003年に出した第三次報告書で、20世紀の100年間で既に気温が0.6℃上昇していること、また「1990年〜2100年の間に1.4℃〜5.8℃気温が上昇し、海面の高さが9cm〜88cm高くなる」と発表したことで、地球温暖化はますます人類全体の問題として認識されることになりました。(IPCCは2007年に第四次報告書を発表する予定です。)

温暖化は気候変動とつながっている

 では、地球が暖かくなると何が起きるのでしょうか。たとえば、1℃上昇すると、サンゴ礁が白化して絶滅してしまうかもしれません。2℃上昇すると、絶滅する生物が増えたり、農産物の収穫に大きな影響が出たりすると言われています。またマラリアなどの感染病が拡大し、洪水や干ばつなどが頻繁に起きる可能性も指摘されています。3℃上昇すると、もはや人類にはコントロールできない破壊的な気候現象が起きるかもしれないと言う科学者もいます。地球温暖化は、単に暖かくなることが問題なのではなく、暖かくなることで、気候の変動(ゆらぎ)が大きくなり、いまの人間社会では対応できなくなるかもしれない、ということが問題なのです。

 2003年の夏にヨーロッパを襲った熱波によって、3万人の死者が出たと言われています。2004年に日本列島に上陸した台風は、観測史上最大の10個、2005年にアメリカのニューオーリンズ市を水没させたハリケーン「カトリーナ」は15兆円を超える被害をもたらしました。これらの自然災害が、地球温暖化が原因で起きたかどうかは、まだはっきりとはわかっていません。でも、ひとたび自然が猛威をふるうと、人間の社会がなかなか対応できないことに愕然とした人も多いはずです。

温暖化を止めるために

 地球温暖化はひとつの国だけががんばって解決できる問題ではありません。そこで世界各国が協力して地球温暖化防止に向けて行動するため、1997年に京都で国際会議が開かれました。その会議で決まった「京都議定書」で先進国は2008〜2012年までに、1990年時点の温室効果ガスの排出量よりも5〜6%減らすことを約束しました。でも、本格的に温暖化を防ぐには、さらに高い目標を達成することが必要だと言われていて、今では2050年までに50%減らそう!ということが真剣に話し合われています。どのような未来を選ぶのか、私たちは今、その分かれ道に立っているのです。

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