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紀元後(2) 13世紀〜現在

13世紀

1206年、チンギス=ハンがモンゴル帝国を建国、騎馬兵の軍団を組織して大遠征を繰り返し、巨大な帝国を作り上げるに至りました。チンギス=ハンの孫のフビライ=ハンは1271年に国名を「元」とし、南宋を滅ぼして中国をも支配します。フビライ=ハンは2度にわたり、鎌倉時代の日本を攻めますが、二回とも台風によって阻まれました。巨大なモンゴル帝国の成立は、東と西の安全な交易を約束し、技術や文化の交流も広く行われました。フビライに仕えたヴェネツィアの商人、マルコ=ポーロが伝えた『東方見聞録』はあまりに有名です。

15世紀

ルネサンス運動が活発になり、ダ=ヴィンチやミケランジェロなど多くの芸術家を輩出していたヨーロッパ。14世紀にはフランスとイギリスが百年戦争に突入し、ジャンヌ=ダルクという一人の少女の登場で形勢逆転したフランスが勝利します。

さらに、ヨーロッパでは大航海時代が始まり、人々の野望と共に徐々に世界は密接につながりはじめます(大航海時代については、アースリウム第7回をご覧ください)。

中国では元の衰退に伴い、それまで支配下にあった漢民族の不満が爆発。反乱を起こした紅巾軍を率いる朱元璋によって1368年に明が建国され、勢力を広げていきます。

イスラム世界では、オスマン帝国が勢力を増大し、ビザンツ帝国を滅ぼし地中海沿岸を支配下に収めて行きます。

ロシアでは1480年にモスクワ大公国のイヴァン3世が皇帝(ツァーリ)の称号を名乗り、ロシア帝国への道を歩み始めます。

17世紀

ヨーロッパは覇権争いが激化し、内乱や戦争が絶えない時代でした。フランスは太陽王ルイ14世の時代。大規模な軍を持ち、ヴェルサイユ宮殿を造りあげました。イギリス、オランダが相次いで東インド会社を設立し、アジアとの直接貿易をスタート。とどまることを知らない欲望は、航海術の発展によって、次々と先住民たちが暮らしていた土地を植民地化し、貿易を拡大させていきます。

中南米では、長く繁栄を続けたマヤ王国や15世紀頃に栄えたインカ帝国やアステカがスペインに滅ぼされ、歴史からその姿を消しました。

19世紀

18世紀から19世紀にかけては、広大な植民地を持つイギリス(大英帝国)が世界の覇権を握った時代です。最盛期には全世界の1/4を占めたとも言われています。蒸気機関がもたらした産業革命は、工業化社会を押し進め、世界中に鉄道が敷かれ、ますます人々の交流が盛んになり、都市の役割が重要になる時代に入っていくことになります。

この時代の欧米列強は「帝国主義」の名の下に、市場と原料供給地を求めて植民地獲得に血道を上げ、世界を分割していきました。

18世紀末にイギリスから独立を勝ち取ったアメリカ合衆国は、19世紀末には世界最大の工業国に発展を遂げていました。

現在

20世紀は戦争の世紀とも言えるでしょう。第一次世界大戦、第二次世界大戦と、近代兵器を使った世界戦争が相次いで勃発。無数の人々が命を落とすことになりました。第二次世界大戦後に発足した国際連合によって国際平和が築かれるかに見えましたが、結果的にはアメリカとロシアという2大軍事大国を中心とする東西冷戦構造となります。1990年代の冷戦解消後も世界各地で内戦、内乱が続き、2001年の同時多発テロ事件により、世界はまたしても混沌とした状態に陥りました。

人口の極端な増加や、高度に工業化された社会が引き起こしている地球規模の環境問題が途上国の貧困を助長し、資源をめぐる争いも頻発しています。経済や文化のグローバリゼーションはますます加速し、インド、中国の急速な近代化など、大きな変化の中に私たちは生きています。


駆け足でしたが、地球史の最後の数十秒、人類の2千数百年間の歴史は、いかがでしたか? せまい地球儀の上で次々と塗り変わる勢力図を見ていると、結局のところ人類の歴史は勢力争い、覇権争いの繰り返しに見えます。その繰り返しこそが、多様な文化を育み、互いに交流することによって新しい価値観を生み出していったことも確かです。90年代にはインターネットが登場し、世界はまた新たな時代に入りつつあります。この小さな地球という惑星の上で、これからの人類はどうなっていくのか、またどうしていけばよいのか。皆さんは、どのようにお考えになるでしょうか。

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