エコロジカル・フットプリントは、私たちの暮らしがどれくらい地球環境に負荷を与えているかを知る方法として、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア大学のマティース・ワケナゲル博士とウィリアム・リース博士らが開発しました。ある人、ある国の暮らしを支える食べ物や衣服、住宅などを作るために必要な畑や田んぼ、牧草地、森林、漁場。化石燃料から出る二酸化炭素を吸収するための森林。ゴミを捨てるための土地の広さなどを足し合わせた面積を表す数値で、「グローバルヘクタール(gha)」という単位で表します。フットプリントの名前の通り、人間が生きていくために地球を踏みつけている面積というわけです。
　67億人の人類全体が、地球の資源を喰いつぶさずに暮らしていくためのギリギリのフットプリントは1.8gha。例えば、現在の日本人の平均的な暮らしはエコロジカル・フットプリントで4.4gha。もし、全世界の人が日本人と同じ暮らしをすれば、地球が2.4個分必要になるということになります。地球資源は有限なのに、私たちは驚くほど多くの資源を使って暮らしていることがわかります。

　私たちは、地球の自然からの恵みがなければ暮らしていくことはできません。もし自分の庭からしか食べ物やその他の材料がとれないとわかっていたら、その庭を大事に使おうと思うはずです。庭の広さを無視して、際限無く使う暮らしをしていたら、今は良くても、あっという間に限界が来て生きていくことができなくなります。庭で考えればすぐにわかる話なのですが、地球は広いので、どうしても実感するのが難しいのです。それをエコロジカル・フットプリントはわかりやすく示してくれています。

→診断クイズ「わたしの暮らしは、地球何コ分？」