22 サステナブルシティ

2011年に世界の人口は70億人を越えました。人口が1,000万人を越えるメガシティも増え続けています。今や世界人口の半数以上が都市に住む時代です。気候変動が激しくなりつつある今、持続可能な都市(サステナブルシティ)の実現は世界共通の課題です。今回のアースリウムでは、サステナビリティや気候変動適応の視点から都市の未来について考えてみました。

取材:上田壮一 ポートレイト撮影:山葡q世 協力:独立行政法人 国立環境研究所
last update 2014.9.26.















増え続けるメガシティ

今回のアースリウムの地球には、国連経済社会局(UN DESA)の2011年版リポートに基づき、1950年から2025年までのメガシティ(人口1,000万人を越える都市)をプロットしてみました。

2010年の都市人口ランキングの詳細を記すと以下のようになります。

1東京(日本)3,693万人
2デリー(インド)2,194万人
3メキシコシティ(メキシコ)2,014万人
4ニューヨーク(アメリカ)2,010万人
5サンパウロ(ブラジル)1,965万人
6上海(中国)1,955万人
7ムンバイ(インド)1,942万人
8北京(中国)1,500万人
9ダッカ(バングラデシュ)1,493万人
10コルカタ(インド)1,428万人
11カラチ(パキスタン)1,350万人
12ブエノスアイレス(アルゼンチン)1,337万人
13ロサンゼルス(アメリカ)1,322万人
14リオデジャネイロ(ブラジル)1,187万人
15マニラ(フィリピン)1,165万人
16モスクワ(ロシア)1,147万人
17大阪(日本)1,143万人
18カイロ(エジプト)1,103万人
19イスタンブール(トルコ)1,095万人
20ラゴス(ナイジェリア)1,079万人
21パリ(フランス)1,052万人
22広州(中国)1,049万人
23深セン(中国)1,022万人

同リポートの2025年予測ではキンシャサ(コンゴ民主共和国)、重慶(中国)、バンガロール(インド)、ジャカルタ(インドネシア)、チェンナイ(インド)、武漢(中国)、天津(中国)、ハイデラバード(インド)、ボゴタ(コロンビア)、リマ(ペルー)、シカゴ(アメリカ)、バンコク(タイ)、ラホール(パキスタン)、ロンドン(イギリス)の14都市がメガシティに加わります。

※国連の統計は行政区分ではなく「都市集積地域(urban agglomeration)」でカウントされているため、例えば東京の人口は東京都だけでなく横浜市などの周辺地域も含みます。

持続可能な都市に向けて

世界最大のメガシティ「東京」

世界最大のメガシティ「東京」(© Tomo.Yun

国連人口基金によれば2008年に既に世界の半数が都市に住むようになり、人口が90億人を越える2050年には3分の2が都市に住むと言われています。地球儀を見ていただくと一目瞭然ですが、中国やインド、アフリカなどの新興国に巨大都市が多数出現することが見て取れます。人と自然環境が共生する持続可能な社会を構築していくために、都市の持続可能性をどう考えるかは避けては通れない課題です。さらに気候変動の激化が予想されるなか、自然災害にも対応する都市づくりは緊急の課題と言っても良いかもしれません。

そこで、気候変動と都市の関係について、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の論文執筆者でもある、国立環境研究所環境都市システム研究室の肱岡靖明室長にお話を聞いてきました。

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独立行政法人 国立環境研究所
肱岡靖明さん