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雲の画像はどうやって届くの?

 赤道上、高度36,000kmの宇宙空間に、各国が打ち上げた気象衛星が浮かんでいます。これらの衛星は地球の自転と同じスピードで軌道を周回しているため、地上から見るといつも同じ場所に見えます。そのため静止衛星と呼ばれています。アメリカ西部をGOES-W(ゴーズ・ウェスト)、アメリカ東部をGOES-E(ゴーズ・イースト)、ヨーロッパ付近をMETEOSAT(メテオサット)、西アジアをMETEOSAT-5、そして日本を含む東アジアをMTSAT(通称ひまわり)が観測しています。

世界の気象衛星の位置 世界の気象衛星の位置

 これら5つの衛星から送られてくる画像をつなぎ合わせると地球全体の雲の様子がわかります。(財)日本気象協会では、この地球全体の雲画像を毎日4回、6時間おきにコンピュータで自動的に合成しています。今回のアースリウムでご覧いただける雲画像も、その中から使わせていただいています。

合成された雲画像 合成された雲画像 ©(財)日本気象協会

 気象衛星は、雲の動きを観測することが主な仕事です。得られたデータから、大気の動きを読み取り、気象状況の変化を見極め、台風や集中豪雨、気候変動などの監視と予測を行ったり、船や飛行機が安全に航行できるような情報を出したりしています。

 雲の画像を撮影するために、気象衛星は大きく分けると可視光と赤外域の観測をする2種類のセンサーが搭載されています。赤外域については、最近の気象衛星ではさらに細かいチャンネルに分かれており、日本の気象衛星「ひまわり」は4つの赤外域チャンネルを持っています。左の地球儀に使われている画像は、赤外1チャンネルで撮影されたものです。赤外2は赤外1の画像との差を見ることで、霧や火山灰の動きなど細かい現象を捉えるために使われます。海面の温度を検出することも可能です。赤外3は、中層から上層の水蒸気の分布を捉えることができます。低気圧が生まれる前兆や、ジェット気流の経路などがはっきりとわかります。赤外4は、夜間の霧を観測することができます。さらに、上層と下層の雲の違いなど、立体的な空気の構造を知ることができるようになりつつあります。それぞれの画像の違いは気象庁のページをご覧ください。

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