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夜の地球

 まずは夜の地球を見てみましょう。いわば宇宙から見た地球の夜景です。NASAのDMSP衛星(defense meteorological satellite program)という軍事気象衛星が撮影しました。高度830kmで地球を周回し、弱い光でも撮影できるセンサーを搭載した衛星です。その衛星が観測した膨大なデータから、雲が写っていない部分を抜き出して、人工的な光だけを合成したのがこの画像です。
 「100万ドルの夜景」なんていう言葉がありますが、夜景は美しい夜の風景として親しまれています。「夜の地球」を美しい夜景として見ることもできますが、人類がものすごい量のエネルギーを昼夜構わず使っていることを示している映像といってもいいでしょう。

ヨーロッパの写真

 まずは明るいところに目を奪われがちですが、慣れてくると暗い世界にも注目できるようになると思います。アフリカやオーストラリアはまだまだ暗い場所が多いですね。中央アジアのあたりも光はほとんど見えません。砂漠や高い山脈には、高度な文明を発達させることは容易ではありません。どのような地形に文明が発達するかという視点で見てみても面白いかもしれません。  夜が明るい国と暗い国。それは文明の発展の状況をよく表しているともいえます。たとえば、象徴的なのが朝鮮半島です。北朝鮮と南の韓国とでは、まるで違うことがわかります。
 ある宇宙飛行士の言葉に「宇宙から見ると国境の傷跡は見えない」という名言がありますが、実は「夜の地球」には、くっきりと国境線が映っているのです。

朝鮮半島の拡大写真
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