名著『想像の共同体』の作者が、幼少期から現在までを振り返った自伝的な書。中国に生まれ、米国経由で両親の母国アイルランドに戻った著者が、いかにして東南アジア研究者を志し、世界的な知性になったか。その道筋を追うと、コスモポリタンな知識人の半生のみならず、学際的研究へシフトする大学や、戦後の国際政治の変遷までもが見えてくる。40年来の信頼関係で結ばれた訳者による、達意の日本語も見事だ。日本語版オリジナル。