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インドの貧しい子どもたちに学ぶ喜びを ボーンフリーの挑戦

2013.06.20 ささ とも

ジョン・デバラジ氏と彼の作品  (c) sasatomo

この数十年で着々と経済成長を遂げてきたインド。しかしその経済的な恩恵を得られない人たちが大勢います。中でも最貧困層と呼ばれる人たちの子どもは学校に行けずに働かされたり、路上生活を強いられたりしています。こうした子どもたちを救うための学校「ボーンフリーアートスクール」を南インドの都市バンガロールに設立した平和活動家ジョン・デバラジ氏の講演会が6月16日に神奈川県で開催されました。

デバラジ氏によると、「インドには学校に行かずに児童労働に従事している子どもが1億3000万人超にのぼり、市場ではココナッツジュース売り、農地ではチリペッパーや綿の栽培、工場では布の染色やレンガの製造、鉱山ではマンガンなどの鉱物の採掘など、劣悪な環境に置かれているが、政府も市民も黙視し、放置している。児童労働の現場で生産された製品は日本など先進国に輸出されている。国際社会にこうした現状を知ってもらい、子どもたちを労働から解放するための支援が必要だ」と熱心に語りました。長年芸術家として活躍してきたデバラジ氏は、演劇や絵画、音楽などを通じて、子どもたちが学ぶ楽しさに気づき、興味のある分野を見つけ、自立した一人の人間として成長していくための場としてボーンフリーの活動を続けています。そして卒業後、プロのアーティストを目指したり、高等教育を受けて職に就く子どもたちが出てきています。

今回この講演会を主催したのが、3人の日本女性が立ち上げたNGO「チーム ピース チャレンジャー」です。2011年にはボーンフリーの子どもたちと日本の子どもたちによるミュージカルを全国6カ所で開催するなどデバラジ氏の日本での活動をさまざまな団体と一緒に盛り上げてきました。同NGOはもともと貧しい子どもたちへの給食の提供やインドの貧しい女性の自立を支援してきました。貧困で満足に食事を得ることもできない子どもたちに給食を出すことで学校に来る機会を作っています。給食の費用は子どもたちが美術の時間に作成したミサンガを販売して得た収入でまかなっています。女性たちには洋裁と編み物を教え、製品を販売し、収入を得ることで自立を促してきました。現在は女性のための職業訓練所「スジャータアシュラム」を設立し「peace peers」というブランドを立ち上げ、東京に出店しています。

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子どもたちが作ったミサンガ。一つ300円で5人の給食になる  (c) Kurata


デバラジ氏の講演の中で、インドの児童労働は日本の消費活動にも関連があることを指摘されて、私たちにも消費の仕組みを変えていく必要があると改めて考えさせられました。ボーンフリーアートスクールはこれまで8年間独自の施設をもたずに活動してきましたが、移動を余儀なくされたことから企業、教育機関、個人からの支援協力を募る学校建設プロジェクトが現在進められています。

なお、今回デバラジ氏は同氏の作品を「ピースおおさか大阪国際平和センター」に寄贈するために来日しました。デバラシ氏の東京講演は6月22日にも予定されています。



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このニュースの地域

インド (アジア/オセアニア

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