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Art & Design

子どもの創造性を引き出す都市公園「ケルナー広場」が誕生へ

2013.10.26 岩井 光子

ケルナー広場の完成イメージ図

公園にある遊具と言えば、思いつくのはブランコや滑り台にシーソー...。子どもたちはありきたりの遊び方だけではすぐに物足りなくなってしまうもの。ブランコに立って乗ってみたり、滑り台を腹ばいになって滑ってみたり―。「いいこと思いついたっ!」と、大人をびっくりさせるようなことをしていることも度々です。

もちろん事故が起きては大変ですから、あらゆるリスクを想定して安全な遊具を作ることは大切なことですが、子どもの底知れぬ好奇心に敬意を表し、遊具の発想自体をもっと子どもの視線に寄せてみたらどうだろう? そんな面白い事業に乗り出したのが群馬県高崎市です。現在、市内の観音山山頂にあった元遊園地の敷地の一部、約5000平方メートルに「観音山公園ケルナー広場」の計画を進めています。

上の完成イメージ図をひと目見ただけで、ちょっと変わった公園が出来上がることがわかると思います。カラフルなカシの木の棒が寄り集まっています。ちいさな森のようにも見えますし、動物の巣のようにも見えます。しかも方向はバラバラに設置してあって、だいぶ斜めのものも。階段もちょっと曲がっています。何パターンもの探検遊びができそうですし、棒登りにチャレンジして上まで行ったときの眺めがまた良さそうです。遊園地時代を思い出すコーヒーカップも左端に見えます。これはグラグラ揺れる「ゆれゆれコップ」だそうです。

設計から設置までを手がけるのはドイツ人のハンス・ゲオルグ・ケルナーさん。祖父が90年以上も前に考案して大ヒットとなった木製おもちゃ「ケルナースティック」を復刻させたデザイナーとして知られていますが、本業は大型の遊具製作。高崎市から近い安中市の赤心(せきしん)幼稚園に自身の遊具を設置したことがあり、それが大好評なことから今回の話が実現しました。広場は来年度から2年かけて整備し、設置や色付けは市内の子どもたちと交流しながらケルナーさん自身が行う予定だそうです。

kellner_steck.jpg

今も世界の子どもたちに愛されているケルナースティック taken at MOMO


ケルナーさんの大型遊具はドイツを中心に、既に世界に400基以上も設置されていますが、日本の都市公園に設置されるのは初めてのこと。対象年齢は特に設定せず、それぞれの遊び方を見つけてもらうというのがケルナーさんの遊具。「遊びにある程度のリスクが生じるのは重要なこと。子どもたちはそれで自分が楽しく遊べる限界を探ることができる」とケルナーさんは語っています。

子どもに遊びを創造させるゆとりを存分に与えてあげることで、子どもは同時にリスクをも学んでいく。子どもたち自身の成長力に温かな信頼を置いた都市公園、全国から注目を集めそうです。



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このニュースの地域

群馬、日本 (日本

岩井 光子