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京都の黒染め技術で、あなたの服がよみがえる

2013.11.02 大野 多恵子

フォークシンガーのイルカさんが着ていた白い服も黒染めで変身

大切な服なのにちょっと汚れてしまった、思い出の服を再利用したい...そんな服を黒に染めることでもう一度生かしてみませんか。2013年10月よりスタートした 「PANDA BLACK-REWEAR PROJECT 2013」では、世界自然保護基金(WWF)ジャパンが、京黒紋付染めの老舗「京都紋付」とコラボして、黒染めによる服のリサイクルを呼びかけています。

現在、東京の明治神宮外苑で行われている「東京デザイナーズウィーク2013」(11月4日まで)の会場では、実際黒に染められたTシャツやジーンズ、ワンピース、バッグなどが展示されています。フォークシンガーのイルカさんが着た真っ白な服や、アートディレクター秋山具義さんのベージュのバッグが黒に染め替えられたものも展示され、同じ黒でも質感の違いを知ることができます。リサイクルで染色できる素材は綿や麻などが基本ですが、混紡の場合は、色が少し薄く出たり、糸の部分だけが白く残ったり、柄によっては面白みのある染め具合になるなど、実にさまざまなニュアンスの新しい服に生まれ変わるのです。

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東京デザイナーズウィーク2013」の会場で。京都紋付の社長・荒川徹さん(左)と、WWFジャパン広報室の大西悠さん(右)。右奥は展示された黒染めの服


この黒染めは、誰もが利用できるシステムで、手持ちの服を、直接「京都紋付」に送り、重量によって黒への染め替え代金を支払い、その一部がWWFジャパンに寄付されるという仕組みです。

「PANDA BLACK」とは、WWFのロゴマークであるパンダにちなんで名づけられたものです。大正4年に創業された京都紋付では、京都壬生の良質な湧水を使い、「深黒」と呼ばれる奥行きのある黒色に染め上げる伝統技術を培ってきました。その技術を生かし、服のリサイクルという新しい展開が生まれたのです。

年間、日本で消費される服は250万トン。そのうちの200万トンは半年以内で捨てられ、リサイクル率はとても低いのです。服を作る過程でもたくさんの地球資源が使われています。京都紋付の荒川徹社長は、「思い入れのある服など、黒に染めることで、また新しくよみがえります。服1枚のリサイクルが、地球を守っていくことにもつながっていきます。ぜひこの黒染めを多くの人に知っていただけたら」と話しています。



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