Art & Design
2013.11.12 平澤 直子
華道草月流の水野歌鳳グループの作品「Movement」。緑は知恵、白は正義、赤は勇気、青は節制を表す photo by Naoko Hirasawa
秋空の下、アーティストが観客にクレヨンを差し出す。それを手に、作品に駆け寄ってお絵かきを始める子どもに大人。それが、「トロールの森2013」アートツアーの始まりでした。
「トロールの森」は、東京・杉並区の住宅街にある都立善福寺公園をメイン会場に、現代アートを展示しパフォーマンスを行う国際野外芸術展で、11月3日から同 23日まで開催されています。
副題に「まちと森をつなぐかたち」とあるように、常に地域のまちと公園の森をつなぐことを意識してきた同展ですが、12年目を迎える今年の特徴はさらなる地域参加。地元の小学4年生の作ったアクリルの花を飾った「水の空」、小学5年生が「光」をイメージしてプリズムシートに絵を描き、それをつなぎ合わせて作った「なないろフットパス」、小学6年生が「幸せ」をテーマに板に絵を描き、その板を組み立てて作った「幸道(こうどう)」など、近所の桃四コミュニティスクール(杉並区立桃井第四小学校)の児童とのコラボレーション作品がたくさん展示されています。
※コミュニティスクール 学校運営に保護者や地域住民が参画する仕組みを持つ学校。2013年4月1日現在、42都道府県、153市区町村において1570校がコミュニティスクールに指定されている。
また、今年は善福寺公園のほか、近隣の複数のカフェやアートスペースにてさまざまな世代の住民とのコラボレーションで作ったビデオ作品の上映会や、過去の「トロールの森」の写真展が催されたり、地元杉並のミニFM、ラジオぱちぱちのプロデュースで最寄りのJR西荻窪駅から善福寺公園までパレードが開催されたりと、場所という軸においてもさらなる地域の巻き込みが見られました。
ここで紹介したほかにも、イギリス人アーティストが廃材で作ったインスタレーション「太陽の色」、ステージ「Joy'n」で行われる数々のパフォーマンスなど、私たちを楽しませてくれる企画がたくさんあります。年に一度のこのイベントも、今年は11月23日で終了ですので、ぜひ芸術の秋を味わいにお出かけください。
関連するURL/媒体
http://www.trollsinthepark.com/index.html