Art & Design
2013.12.31 宮原 桃子
オランダと言えば、自転車大国。国中に張り巡らされた自転車専用レーンを、老若男女、シティバイクから子ども数人を乗せた荷車付の自転車まで、あらゆる自転車が行き交います。そんなオランダで12月に、木製の組み立て式自転車「サンドウィッチ・バイク」が登場。手で持てるくらいの大きさの段ボールに全パーツが詰め込まれて、購入者のもとに届きます。4つの木製パネルと50個にも満たない部品を、まるでサンドウィッチを作るように組み立て、たった45分でスタイリッシュな木製自転車ができあがります。
この自転車の発案者であるペダルファクトリー社の代表バステン・レイ氏は、これまでの自転車の素材や製造・流通工程を見直したいという想いから、サンドウィッチ・バイクに取り組み始めたそうです。フレームに使われているブナの木は、ドイツで持続可能な方法で管理・伐採されているもの(PEFC認証取得)を使用するなど、環境にも配慮。またレイ氏は、この商品のサステナビリティについてこう語っています。「自分で組み立てたモノは、より愛着が湧いて誇らしく思い、大事にするだろう。それが、素材だけでなくモノの使い方まで含めた、究極のサステナビリティ(持続可能性)だ。」
同社は10万回にも及ぶ部品テストを行い、組み立て式で不安視されがちな安全性にも自信を見せています。ブレーキは、自転車部品大手シマノ(本社・大阪)のコースターブレーキを用い、手ではなくペダルを逆回転させることでブレーキをかける仕組み。ブナの木でできたフレームは、防水加工済み。価格は799ユーロ(約11万5000円)で、欧州だけでなく世界各国にむけて販売中です。
エコな移動手段として、注目を浴びる自転車。素材や作り方もエコな自転車であれば、なお良し。日本でも、サンドウィッチ・バイクで通勤する人を見かける日は近いかもしれません。
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