Art & Design
2014.05.03 宮原 桃子
私たちは、毎日あらゆるものを消費しています。商品を選ぶ時、何を基準にしているでしょうか。かつては、価格と品質ばかりが注目されていたのが、今では環境や安全性、生産現場の労働環境など、エシカル(倫理的)な視点が重要視されつつあります。
中でもファッションの分野は、安さや商品の回転の速さが過剰に求められるがゆえに、バングラデシュや中国などの生産地では、不当に安い賃金や長時間労働、児童労働、防災などの安全性の欠如など、様々な問題が指摘されています。ちょうど1年ほど前の2013年4月24日には、バングラデシュの縫製工場ビルが崩壊し、1100人以上の死者を出したことは、まだ記憶に新しいと思います。
こうした流れの中で、ファッション分野でも「エシカル」「エコ」「フェアトレード」「オーガニック」「サステナブル」「ギルト・フリー(罪悪感のない)」などの言葉が、よく見られるようになってきました。しかし、多くの消費者にとっては、なんとなくのイメージは湧いても、それぞれの言葉が本当に何を意味するのか、わからない部分も多いのではないでしょうか。
そこで来る5月10日、この「エシカルファッション」をあらゆる切り口から学び、体験できる、1日限りの学校「エシカルファッションカレッジ」が開校します(会場:IID世田谷ものづくり学校)。5月10日は「コットンの日」であり、今年はさらに「世界フェアトレード・デー」が重なるため、まさにエシカルファッションを考えるのにふさわしい日と言えます。オーガニックやフェアトレードに取り組んでいるジーンズ・ブランド「Lee」と、児童労働問題に取り組む認定NPO法人「ACE」の主催によるもので、授業ではフェアトレード・ブランド「ピープル・ツリー」や、ガールズが世界を変えるブランド「Over the Rainbow」、ファッション・ジャーナリストの生駒芳子氏など、エシカルファッションに取り組む様々な企業や団体、個人が、レクチャーします。また、絞り染めや糸紡ぎ、布を使ったものづくりなどの体験型ワークショップ、ファッション・ショー、映画上映、ヨガなど、楽しみながら学ぶことができるプログラム満載です。
この学校に通えば、あなたの毎日の洋服選びが、大きく変わるかもしれません。
今回のエシカルファッションカレッジで「学長」を務める、細川秀和さん(Lee Japan)のメッセージ
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