Art & Design
2014.05.25 平澤 直子
象の鼻テラス:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by eguchi shintaro
8月1日から11月3日まで、横浜市の象の鼻テラスで、第1回ヨコハマ・パラトリエンナーレが開催されます。「パラ」トリエンナーレという言葉からもわかるとおり、これは「もうひとつの」トリエンナーレ、「障害者」と「多様な分野のプロフェッショナル」の協働から生まれる現代アートの国際展です。
このイベントを主催するのは、横浜市文化観光局やスパイラル(ワコールアートセンター)など複数の法人で組織する横浜ランデヴープロジェクト実行委員会とNPOスローレーベル。横浜ランデヴープロジェクトは、2009年より障害者とアーティスト、それに企業をつないで新しいものづくりの実験を繰り返し、2011年に手づくり雑貨ブランド「スローレーベル」を誕生させました。スローレーベルでは今、三者による商品を開発・販売するほか、障害者や職人に限らず、誰でも生産活動に参加できる市民参加型ものづくりプロジェクト「THE FACTORY」なども実施しています。
こうして誰もがアートやものづくりにかかわれる場を作ってきた彼ららしく、今回のイベントでも、障害者だけでなく、障害者の創作活動を支える「伴走者」に焦点をあてたり、障害のある人とない人が協働してイベントの運営にあたったりしながら(※)、新しいアートを世界へ発信すると同時に、誰もが居場所と役割を実感できる地域社会を作っていくことを目指しているといいます。
そのコンセプトをあらわすように、事前イベントにも、パラトリエンナーレ会場に展示されるインスタレーションを作るワークショップ(終了しました)や、パラトリエンナーレで発表するダンス作品を作るプロジェクトといった、障害のあるなしや、ものづくりやダンスの経験の有無にかかわらず参加できるものが用意されています。バリアフリーな世の中を作っていきたい人、アートにかかわってみたい人はぜひ。
また、パラトリエンナーレはヨコハマ・トリエンナーレ2014と連携したプログラムのひとつで、周辺のアート関連施設ではたくさんのイベントが企画されています。開催期間中、横浜はにぎやかになりそうです。
※ヨコハマ・パラトリエンナーレでは運営ボランティアを募集中です。詳しくはこちら。
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