Art & Design
2014.06.28 高木 彩香
「寄付」や「支援」という言葉を聞いてどんなことをイメージしますか? 例えば、お金や使わなくなった製品を困っている人や助けが必要な人、もしくは団体に渡すこと。東日本大震災の被災地でのがれき撤去のような、自分の労力を使って誰かを助けること。
GIFTHOPEは、デザインの力+寄付によって世界を変えようという新しい試みです。クリエイターはGIFTHOPEの提示する商品にデザインをします。そしてその商品は私たちも購入できるシステムです。では、どのようなところが「新しい」のでしょうか?
実はクリエイターが投稿しデザインするのは、GIFTHOPEが選んだNPOの活動イメージ。毎月一つのNPOが紹介され、そのNPOの活動イメージにあったデザインをします。これまでに、原発事故により屋外での活動が制限されている子どもたちにのびのびと過ごせる環境を作りたいという「南相馬こどものつばさ」やカンボジアで地雷撤去などの活動をしている「テラ・ルネッサンス」、原発事故旧警戒区域内の被曝した牛の殺処分反対を訴える「希望の牧場~ふくしま~」が対象になりました。
投稿デザインの中から、50種類がTシャツなどの商品になります。めでたく商品化されると、1カ月限定でチャリティー販売され、販売価格の30%をNPOに寄付、10%がその商品のデザイナーへと支払われます。デザインの投稿は、どんな人でもできます。もちろん私たちも!
ここでいう「デザイン」とは、美しさやかっこよさだけでなく、問題を解決する助けを意味します。メッセージ性の強いデザインがNPO活動の理解へとつながります。
そして、私たちはたくさんのデザインの中からお気に入りを見つけ、商品の購入というカタチで寄付や支援ができます。毎月の寄付額や、寄付の使われ方もサイト上で公開され、私たちのお金の行き先がきちんと見えます。
さて、もう一つ私たちにできることがあります。それは、そのNPOの活動を誰かへと広めるということです。とても意義のある活動をしていても、NPOの活動が一般の人へと広まっていくのはとても大変なことです。その商品をデザインして、または使って、「実はこのデザインにはこんなメッセージがあるんだよ」「こんなことを訴えているんだよ」「こんな活動をしているNPOがあるんだよ」そんな会話が生まれたら素敵ですよね。
今月の投稿デザイン対象は、マレーシア・ボルネオ島で自然環境や生物多様性を守る活動をしている「ボルネオ保全トラスト・ジャパン」です。生物多様性の宝庫といわれるボルネオ島でも、環境破壊は問題になっています。そして今月の寄付先は、イスラエル、パレスチナなどの紛争地域での平和への理解・育みを目指す「Peace Field Japan」です。私たちは世界を、地球を、または子どもたちや、動物、植物を救うことができます。平和な世界へと変えていくことができます。そして、私たちができる寄付・支援のカタチは、お金や労力によるものだけではなく、伝える・広めるというところにもあるのではないでしょうか。
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