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Art & Design

世界の子どもにアートで希望を Happy Doll Project in 南アフリカ

2014.10.14 平澤 直子

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自分の作品を手に笑う入院中の子ども(西ケープ州Tygerberg Hospital) 写真提供 Wonder Art Production


9月16日、ホスピタルアートなどを手掛けるNPO任意団体Wonder Art Productionの南アフリカでの活動報告が発表されました。

Wonder Art Productionは、以前地球ニュースでも取り上げた、東日本大震災の被災地をアートで応援するARTS for HOPEの母団体で、1999年の設立以来、一貫して病院を元気にするホスピタルアートプロジェクトを行ってきました。その中の1つで2006年より行ってきたHappy Doll Projectは、入院患者みずから(およびその家族や病院関係者)が作った人形を次の病院へと渡し、その病院で作られた人形と合わせてまた次の病院へ、というように、病院から病院へと受け継がれていくプロジェクトで、2010年には海をわたってニューヨークへ、そして今年9月には南アフリカへと広がりました。

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南アフリカ唯一の子ども病院「Red Cross War Memorial Children's Hospital」 写真提供 Wonder Art Production


今回、Wonder Art Productionのスタッフがまず訪問したのは、現地のNGOと日本国際ボランティアセンター(JVC)が運営する、北部リンポポ州の2つのLight of Mercy Community Care, Drop-In Centers (エイズで親を亡くした子、親の介護をしなくてはいけない子、自身が母子感染している子など、エイズの影響を受けている子どものための放課後の施設)です。JVCによれば、南アフリカでは560万人、成人の5人に1人がHIVに感染しており、HIV陽性者数は世界最多です。そして多くの、特に働き盛りの世代が命を落とすため、親のいない子どもが増え続け、現在(2013年)、210万人のエイズ孤児がいると言われています。

「エイズ陽性の子どもたちだけでなく、性的虐待、親との死別など厳しい現実を懸命に生きている子どもたち。自己表現の時間がない子どもたちに『Happy Doll』が起こすミラクルがきっとあるはず」とWonder Art Production代表の高橋雅子氏は言います。氏はこれまでも、Happy Doll Projectを通じて、しゃべらなかった子どもが言葉を発したり、動かなかった指が動いたりといったミラクルを目の当たりにしてきたそうです。

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さまざまな素材に興味津々の子どもたち(リンポポ州Bodwe村) 写真提供 Wonder Art Production


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独創的な作品ができあがりました(リンポポ州Bodwe村) 写真提供 Wonder Art Production


リンポポ州の2つのセンターと、後に訪問した同国ケープタウンの2つの病院を合わせ、小さな子どもから高校生まで、250人もの子どもたちが参加した今回のプロジェクト。日本から遠く離れた土地で、その子たちが将来、少しでもこのプロジェクトのことを思い出して自分の未来に活かしてくれたら、それもまた、ミラクルと呼べるのではないでしょうか。

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最後はみんなで「できたー!」(リンポポ州Hlanganani村) 写真提供 Wonder Art Production


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このニュースの地域

南アフリカ (アフリカ

平澤 直子