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子どもがうまれ育つことの奇跡を感じる映画「うまれる」

2014.11.21 平澤 直子

Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by Kris

11月15日、児童虐待防止推進月間(11月)に合わせ、東京・世田谷区では子どもの虐待防止推進フォーラムせたがや2014が開催され、そのプログラムの一部として映画「うまれる」が上映されました。

「うまれる」は、「子どもがうまれること」を取り巻くさまざまな問題を描いた映画で、2010年の劇場公開以来ずっと自主上映会が続けられ、2014年10月現在で40万人以上の人が観ている話題のドキュメンタリーです。

この映画は、両親との仲に違和感を覚えていた豪田トモ氏(監督)が、「子どもはうまれる以前からの記憶を持つ」「子どもは親を選んでうまれてくる」という胎内記憶の考えに出合い、「親は自分が選んだ、つまり自分に責任がある」と思えるようになって自身が楽になったことから、自分と同じように気持ちが楽になる人がいれば、と制作をはじめたものです。

しかし実際に制作をはじめ、妊娠・出産を取材するうちに、「胎内記憶に出合ったことは『うまれること』のほんの一部にすぎすぎなかった。産まれてくること、そして生きることは、まさに奇跡の連続」と思うようになったといいます。

本映画では、「虐待の連鎖」「死産」「不妊」「障害」と、子どもがうまれ、育つことを取り巻く問題の中でもかなり重いテーマを扱い、それぞれのテーマを抱える4家族を追っています。しかしながら、映画の中にはひどい虐待のシーンや子どもが亡くなるシーンなどの直接的な映像はなく、どの家族も明るく前を見ている姿が描き出されているため、親になること、子どもが無事生まれ生き延びることに感謝したくなるような作品となっています。

もちろん、直接映画には出てこない問題の深刻さや、それを抱える家族の辛さを見逃してはいけませんが、まずは問題を知ること、家族を大切に思うことを再確認するという意味で、たくさんの人にお勧めしたい映画です。親との間に問題を抱える人、流産を経験した人、不妊に悩む人、育児中の人。さまざまな環境の人、幅広い年代の人が、何かしら思うところがあるような映画です。

なお、映画「うまれる」では今年も2014年11月~2015年4月まで、自主上映会の上映費が10%オフになる「虐待防止キャンペーン」(条件あり)を行っています。バリアフリー版、映画字幕版もありますので、ご興味のある方はぜひ。

また11月22日より、この映画の続編となる「うまれる ずっといっしょ。」が公開となります。こちらは血のつながりのない息子にそれをカミングアウトすることを悩む父親、妻を失った夫と家族、それに、「うまれる」にも登場した、障害のある子どもを育てる夫婦のその後と、より「家族」に焦点をあてた映画となっています。公開に際してさまざまなイベントも企画されています。情報はこちらからどうぞ。



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