Art & Design
2015.02.02 宮原 桃子
(c)Wishbone Design Studio
最近日本でも、小さな子どもたちがペダルのない自転車「ストライダー」に乗っている姿をよく見かけます。子どもはあっという間に成長するので、三輪車、ストライダー、自転車と、1〜2年で次々と買い替えなくてはなりません。
そんな子どもの成長に応じて、たった一台でいろいろとアレンジができるのが、ニュージーランドのデザインスタジオ「ウィッシュボーン」が展開するストライダー。ウィッシュボーンは、ニュージーランド人のジェニファー・マカイヴァーとその夫リチャード・レイサムが、小さな子どもたちに最適で、かつ消費を抑え環境に良いバイクを作ろうと思い立って始めたブランド。同社製品は、三輪から二輪へ、またサイズも変更できるため、1歳から5歳くらいまでの長い期間使うことができます。木製でデザインも美しく、欧米を中心に高い支持を得てきました。
同社製品は、買い替えの必要がなく長く使える点はもちろんのこと、植林樹の使用や再生紙を利用したパッケージなど、当初より様々な環境配慮がなされてきました。そして新たにラインナップに加わったのは、同社が3年をかけて開発したリサイクル素材のストライダー。米国で年間50億トンが廃棄されると言われるカーペットから、ナイロン繊維とポリプロピレンを取り出して液体化し、さらにガラス繊維を加えて強化した素材で車体を製造しています。ストライダー1台につき、カーペットから取り出したナイロン繊維約2キロを使用しており、膨大なカーペット廃棄物の削減に貢献しています。
同社はさらなる挑戦として、現在のストライダーにペダルキットを装着することで、さらにペダル付自転車へも変えられるよう開発を進めています。ウィッシュボーンのストライダーで、お財布にも環境にもやさしく、また何よりモノを大切に扱うという価値観を、子どもたちが実体験を通して学ぶことができるのではないでしょうか。
関連するURL/媒体
http://www.theguardian.com/sustainable-business/2015/jan/23/carpet-bikes-recycling-difference