Art & Design
2011.04.13 中川 真琴
2005年10月、7万人以上もの命を奪ったパキスタン地震。震源地のカシミール地方では今、女性たちが地域の伝統技術を生かして生活の再建に取り組んでいます。
パキスタンを代表するデザイナーたちが斬新な作品を披露するパキスタン・ファッション・ウィーク。先月ラホールで開かれたこのファッション・ショーでは、被災したカシミールの女性たちが、カシミールの刺繍(ししゅう)をほどこしたショールや民族衣装を出品しました。
カシミール地方では、地震で多くの男性の命が失われ、社会における女性の役割が急速に重要視されるようになりました。そこで始まったのが、女性の持つ伝統技術であるカシミール刺繍に磨きをかけ、それを都市のファッション市場に結び付けようとする取り組みです。パキスタン政府の地震復興庁(ERRA)と非営利の民間企業AHANが、パキスタンのデザインブランドSAAIと共に行っています。
この刺繍を展示したカシミール女性の一人、ナヒードさんは「有名なデザイナーさんが私たちに仕事をお願いするといってくれました」と喜びの笑顔を見せているそうです。
この技術訓練では、130人の女性が訓練を受け、その女性たちがさらにほかの女性に教えるという形で取り組みの輪を広げていく予定です。
関連するURL/媒体
http://www.thenews.com.pk/TodaysPrintDetail.aspx?ID=40214&Cat=3&dt=4/7/2011