Art & Design
2011.08.25 岩井 光子
全世界で紙から電子書籍へ、の流れが勢いを増すなか、「紙にだってまだできることがある!」と主張するような新しいフォーマットの本「フリップバック(Flipback)」が今夏イギリスに初登場、話題を集めています。
文庫本の半分ほどの大きさで、9×14センチの横長。紙は聖書や辞書に使われるごく薄のオニオンスキンペーパーを使用しているため非常に軽く、ポケットやバッグにすっきり収まります。ページは横でなく、上に持ち上げて開くスタイルで、文庫本よりも片手でめくりやすいよう配慮されているのが特徴。スマートフォンやiPad同様、電車通勤や旅行の合間など手軽な読書に向きます。
フリップバックはオランダ生まれ。2009年から2年で約100万冊を送り出すヒットを記録、スペインやフランスにも広まり、今年6月末、イギリスの出版社Hodder & Stoughtonからスティーブン・キングの『ミザリー』など12タイトルが発売されました。米オンライン紙のクリスチャン・サイエンス・モニターは、その特徴を、「もしスマートフォンとペーパーバックの間に子どもが生まれたら、それがフリップバック」と書いています。
イギリスではクリスマスのギフト商戦に向け、さらに25タイトルを発売予定。日本では現在アマゾンなどのネットショップを通じて購入できますが、日本語版のフリップバックも近いうちにお目見えするかも。小さいもの好きの日本人がこの新しいフォーマットにどう反応するのか、今から楽しみです。
関連するURL/媒体
http://www.csmonitor.com/Books/chapter-and-verse/2011/0705/Could-the-Flipback-be-the-new-Kindle