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2011.12.20 高橋 彩
ドバイ国際映画祭の公式パンフレット (c) Aya Takahashi
12月7日から14日まで、第8回ドバイ国際映画祭が開催されました。この映画祭は、アラブにおける映画制作の発展を目的に2004年から毎年12月にドバイで開催されており、今年は56カ国から171作品が上映されました。
映画祭の目玉として世界から注目を集め、オープニングを飾ったのは、ドバイが撮影舞台となったトム・クルーズ主演の『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』。ワールドプレミアのレッドカーペットにクルーズが現れると、集まった多くのファンから歓声が上がりました。また、沖田修一監督『キツツキと雨』が最優秀男優賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞の3冠を受賞するなど日本勢も健闘しました。
映画祭の今年のテーマは「Bridging Cultures, Meeting Minds(文化に橋を架け、心を通わせる)」。どのように映画が国や言語を越えて人々の心に届き、調和の心を生み出すのかに焦点を当て、コンペティション部門では「UAE」「アラブ」「アジア・アフリカ」といったエリアごとに各賞が決まるのが特徴的です。また、スター出演の話題作ばかりでなく、インディペンデント映画や低予算で撮影された良質な映画も数多く上映されました。上映会場では、記者や観客と一緒に、監督やプロデューサーも自作を鑑賞し、上映終了後は観客からの公開質問に答えたり、意見を交換したりと会場が一体化して盛り上がりを見せていました。
日本では目にする機会の少ないアラブ映画ですが、実際に映像を観ることで、映画のテーマとその表現の仕方、さらに観光地とは一味違ったアラブの景色や日常風景、生活習慣を身近に感じることができます。また、アジア映画の上映会場では、アジア人には見慣れたアジアの風景や日常生活での行動や発言も、アラブ人記者はその意図を尋ねたりするなど、会場はまさに文化の壁を越えた心の交流の場となっていました。
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