Art & Design
2012.08.06 瀬戸 義章
環境省の調査によると、日本で1年間に不用となった衣類の数は、なんと約7億1,011万着。1秒間に22.5着が捨てられている計算になります。いまの日本では、一度だけ、あるいは一度も袖(そで)を通されること無く、膨大な量の衣服が処分されています。こうした生活を、私たちは日々おくっています。
そんな暮らしを見つめ直して、こころ豊かな生活スタイルを提案するために「第3回リ・ファッションコンテスト」が開催されました。不用となった衣類から、まったく新しい装い(よそおい)をつくる、リメーク服のコンテストです。
提供された6トンを超える古着から、デザイナーがこれはと思うものを選び出します。古着はいったんほどかれ、素材となります。綸子(りんず)の着物や、トレンチのコート、オレンジのマフラーなど、別々の衣類が、新たに出会い、華やかなドレスへと生まれ変わります。
7月18日、東京・目黒で行われた授賞式でグランプリを受賞したのは、 台湾のファッションデザイナー、許敬慈さんの「天葬」でした。黒を基調としたシックなドレスです。スカートとジャケット、ワンピースの3つの古着から作られました。
「ファッションって、ただお洒落を楽しむためのものではなくて、もっと暮らしや環境とかかわっていくためのものだと思うんです。環境のためのコンテストで優勝できたことはとても嬉しいですし、これからも地球への感謝の気持ちを発信していきたいと思います」と、許さんは語ります。
このコンテストを主催しているのは、日本リ・ファッション協会。今後は、学校でのライフスタイル講義や、「ソーイングカフェ」の開催などを通じて、生活提案の強化をしていきます。ソーイングカフェとは、ミシンと縫い物・編み物の道具に材料も置いてあるカフェのこと。ワークショップも開催されるので、気軽に「作りたいもの」を作ることができます。場所は東京のJR中野駅北側にあるカフェ「エカイエ」。皆さんもここで「リ・ファッション」を体験されてみてはいかがでしょうか。
関連するURL/媒体
http://www.refashion.jp/contest/index.html