Biodiversity
2010.01.26 高田 久代
Arctic tern : Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by JsonLind
長距離を移動することで知られる渡り鳥のキョクアジサシが、これまで考えられていた距離の2倍を移動していることが超小型追跡装置を使った調査で明らかになりました。
キョクアジサシは、毎年グリーンランドから南半球まで渡り、南極でたっぷりエサを食べたあとアフリカと南米を経由して北極圏まで往復約7万1000キロを旅します。キョクアジサシの寿命は30年ほどと言われているので、生涯飛行距離はなんと地球と月を3往復分(240万キロ)。世界で一番長距離を移動する生き物です。
南極からまっすぐ北上するのではなく大西洋の両岸をジグザグに飛行する理由について、調査チームのカールステン・エーバング氏(グリーンランド自然資源研究所)は、キョクアジサシたちが大気中の巨大ならせん状の風の流れに乗っているように見えるのは、その中の風に巻き込まれないようにするためだと説明しています。
キョクアジサシは体重わずか113グラム。小さな体にも負担にならない重さ1.4グラムの装置が新たに開発されたことにより、今回の追跡が可能になりました。調査結果の詳細は、1月11日発行の米科学アカデミー紀要オンライン版に掲載されています。
関連するURL/媒体
http://news.nationalgeographic.com/news/2010/01/100111-worlds-longest-migration-arctic-tern-bird/