Biodiversity
2008.11.23 山田 由美
去る10月29日、アメリカ地質調査所アラスカ科学センターが、ある渡り鳥に関する観察結果をまとめ、「英王立協会紀要」という研究論文誌に発表しました。渡り鳥はオオソリハシシギで、アラスカからニュージーランドやオーストラリアまでノンストップで飛行をしているという事実が、2006年と2007年に鳥に発信器をつけ、 衛星通信で追跡し続けた結果、明らかになりました。
2007年8月に観測された最長飛行記録は、アラスカからニュージーランド北部までを8.1日もの間飛び続けるというもの(ジャンボジェット機でも十数時間かかる距離)。途中、ハワイの近くも通るのですが、地で羽を休めることすらしません。降下や上昇によるエネルギー消費を抑えるためやエサが少ないことが理由と言われています。
ニュージーランドやオーストラリアで越冬し終えた鳥たちはその後、北の繁殖地に戻ります。 研究は現在も続き、その旅の軌跡が同センターの サイトで公開されています。鳥たちは生まれたその年に南半球までの長旅を決行するのだそう。小さな鳥が持つ大きな力にただただ感嘆します。
関連するURL/媒体
http://www.asahi.com/science/update/1101/TKY200811010041.html