Biodiversity
2009.05.28 中川 真琴
気候変動による海水温上昇で、今後50年間に世界の50%以上のサンゴ礁が消滅するといわれています。しかし、スタンフォード大学ウッズ環境研究所のステファン・パルンビ教授らの調査で、1.5度程度の水温上昇なら耐えることのできるサンゴ礁もあることがわかりました。
サンゴ礁とは、造礁サンゴ(以下、サンゴ)という動物の群体が水中の炭酸カルシウムを固定して小さな部屋のようなものを作り、そこに植物である褐虫藻(かっちゅうそう)がすみ付いて形成されています。褐虫藻が光合成で作った栄養をサンゴが受け取る共生関係です。しかし水温上昇などでストレスを受けた褐虫藻は栄養を作らなくなり、サンゴは褐虫藻を吐き出して白化します。
しかし今回アメリカ領サモアのオフ島で、水温が高い地域ほど高温に強い褐虫藻と共生しているサンゴが多いという調査結果がでました。分子レベルにおけるサンゴと褐虫藻の共生関係に関してはまだ研究が始まったばかり。サンゴ礁のさらなる保護活動に向け、研究が進められているということです。
関連するURL/媒体
http://www.sciencedaily.com/releases/2009/05/090520100515.htm