Biodiversity
2009.07.08 ミラクルリリオ
世界的に有名なケニアのサファリ、マサイマラ国立保護区の野生動物が激減しています。国際家畜調査研究所(ILRI)が発表した調査によれば、1979年から2002年の間にキリン、イボイノシシ、インパラ、トピなどの数が50%かそれ以上減ったそうです。中でもキリンは、かつての生息数の95%が姿を消したとのことです。
主たる理由は、保護区周辺で急増したマサイ族の定住化に関係しているようです。かつてマサイ族は、半遊牧生活をして、野生動物とうまく共存していました。しかし、過去数十年間の間に干ばつや密猟、そしてマサイ族の牧畜生活と定住化の拡大により野生動物の生息区域が狭まり、食(は)む草も減ったことが激減の原因になっているようです。 ILRIの研究者は、保護区に隣接して生活しているマサイ族が、保護区内ロッジの賃貸料を受け取ることにより、彼らの生活地域内でも野生動物が自由に動き回れるようにする仕組みを働きかけています。
何千年の歴史の中で、マサイ族の生活環境や牧畜の改善によって東アフリカの野生動物減少を防ぐことができると考えられていることから、研究者や政治家、そして地域コミュニティと連携を図りながら共存の道を探る必要があるとしています。
関連するURL/媒体
http://news.bbc.co.uk/2/hi/africa/8008700.stm