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Biodiversity

東南アジアに潜水シカ現る

2009.07.08 高田 久代

アジア地域に生息する小型のシカが水中に潜る習性をもっていることが確認され、生物学者たちの注目を集めています。

潜水が目撃されたのはネズミジカまたはマメジカとよばれる小型のシカ。マングースなどの外敵に襲われそうになったとき、水に駆け込んで5分間以上水面下を泳いで敵をやり過ごす姿がスリランカやボルネオ島(インドネシア)で生態学者らによって記録され、詳細がドイツの学術専門誌「哺乳類生物学」に発表されました。

こうした潜水シカの存在は、アフリカに生息する最大種のネズミジカで確認されていましたが、アジア地域での目撃は今回がはじめて。複数種のネズミジカに潜水の習性が確認されたことは、シカやウシなどの反すう動物がかつて親水性をもっていた可能性をしめしています。

またアメリカでは、2007年に早期のクジラの祖先と形態学的な特徴が似ている小型のシカのような反すう動物の化石が見つかっており、今回の発見は、陸上生物から進化したと考えられているクジラが水中へ生息域を変化させた謎を解く手がかりになると期待されています。



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東南アジア (アジア/オセアニア

高田 久代