Biodiversity
2009.07.29 高田 久代
地元で広く親しまれているニュージーランドの在来種、カウリの木を病気の蔓(まん)延から守るため、森林保護区内のカウリを巡る観察ルートが変更されることが決まりました。
大きいものでは高さ50メートル、幹周り17メートルにも成長するカウリ。100万人都市オークランドから西へ30キロほどのワイタケレ地域には、1万6,000ヘクタールもの豊かな森が残り、オークランダーたちのお気に入りのアウトドアスポットになっています。しかし最近、新種の植物性病原体が発見され、この森にも立ち枯れなどの深刻な影響が広がっていることがわかりました。カウリ立ち枯れ病(Kauri dieback)と呼ばれるこの病気は、土の中の病原体が人や動物の移動にともなって伝染すると考えられており、有効な治療方法はまだ見つかっていません。
カウリの保全を求める地元グループは、病気にかかったカウリの分布と人々が森の中を巡るルートを地図上に重ね合わせるなど独自の調査を実施した結果、この2つに大きな因果関係があるとして、オークランド地方政府(ARC)にカウリの保護を要請。ARCはカウリ周辺を巡る現行の観察ルートを迂(う)回させる措置を取り始めました。地元グループはさらにルートの閉鎖など、より積極的な予防手段をとるよう求めています。
関連するURL/媒体
http://www.nzherald.co.nz/environment/news/article.cfm?c_id=39&objectid=10585926