Biodiversity
2009.08.01 中川 真琴
米国の海洋大気局は、カリブ海の海水温が10月いっぱいまで高いと見込み、サンゴの著しい白化と、サンゴの感染症の大発生が懸念されると発表しました。カリブ海で過去最悪とされる2005年の白化現象では、90%のサンゴが白化し、そのうち半分以上が死んだ地域がありましたが、今年はそれを上回る可能性もあるということです。
今年6月、世界の海表面温度は記録史上最高でした。今年の白化現象はカリブ海以外にも、メキシコ湾、太平洋中央部、マリアナ諸島北部から日本にかけての地域に広がる可能性があるそうです。今回の予報ではエル・ニーニョによる海水温上昇は見込まれていませんが、エル・ニーニョは来年に起こる可能性も高いとされ、白化現象の悪化が心配されます。
海洋大気局では、白化によるサンゴの損傷を少しでも和らげるため、白化の程度や影響をモニタリングすることや、サンゴ礁域でのダイビング、釣り、ボートなどといった活動の一時休止を提案しています。
写真:ソフトコーラルが美しいベリーズの海。多くの生き物がサンゴに頼って生きています。
関連するURL/媒体
http://www.sciencedaily.com/releases/2009/07/090725120003.htm