Biodiversity
2010.07.02 高橋 彩
ミナ・アッサラームホテルの海亀リハビリスペース
ドバイの華やかなイメージを代表する7つ星ホテル、「バージュ・アル・アラブ」。このホテルには、マディナ・ジュメイラと呼ばれるリゾートエリアが隣接しています。観光地としてとても有名なこのエリアですが、海亀を保護するプロジェクトが実施されていることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
6月8日、このエリア内にあるジュメイラホテル&リゾートと「ドバイ・タートル・リハビリテーション・プロジェクト」が、25匹の海亀を無事海にかえしたと発表しました。うち23匹はタイマイ、2匹はアオウミガメで、どちらも絶滅危惧種に指定されています。個体を識別し、たどった進路を研究するため、海亀にはサテライト・タグが取り付けられ、遠くはタイにたどり着いた海亀も報告されています。
同プロジェクトは、2004年からジュメイラホテル&リゾートのほか、ドバイ野生動物保護局やバージュ・アル・アラブ水族館などが協力して病気やケガで傷ついた多くの海亀を保護してきました。
治療を受けた海亀は、経過をみてバージュ・アル・アラブ水族館へ、さらに回復した海亀はマディナ・ジュメイラ内の、ミナ・アッサラームホテルにあるリハビリスペースへ移送されます。衰弱の理由は海に捨てられたプラスチックごみの絡まりや誤飲だったり、異常な重さのフジツボが甲羅に寄生してしまったり、さまざまですが、UAE周辺の海の温度が16度まで下がる1月から4月の間に多く発見されています。
テーマパークのように人工的なリゾートエリアで海亀を保護するという、ギャップがとても新鮮ですが、ホテル内にあるリハビリスペースが一般公開されることで、地元の環境意識を高める上でも大きく貢献しているようです。
海亀の最新情報はこちら。
関連するURL/媒体