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Biodiversity

コウノトリを守る日本の農法が中国へ

2010.08.23 奥山 賢治

Hyogo prefectural homeland for the Oriental white stork, Japan:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by pelican

急速な都市化や自然環境の変化などにより、生息数が激減している水鳥、コウノトリ。IUCN(国際自然保護連合)の近絶滅類にも指定されています。

コウノトリが生息できる自然環境を中国で再生させるため、食と農を身近に感じられるライフスタイルを提案・支援しているNPO法人「食と農の研究所」(神戸市灘区)が、農法の技術指導などのプロジェクトに本格的に取り組みます。このプロジェクトには、日本国内最後の生息地であり、人工飼育に成功している兵庫県豊岡市や同県の職員も参加。事業は3カ年計画で、中国で水田の自然を再生し、安心な米を作る「コウノトリ育(はぐく)む農法」の技術指導にあたります。

コウノトリの生息に必要とされるのは、化学肥料を使わず、農薬使用を極力抑えること。また、冬場の田んぼに水を張り、餌(えさ)となるドジョウやフナなどもすめる生物多様性を維持することも欠かせません。

農法の技術指導をする地域は、中国・上海から車で約2時間の浙江(せっこう)省寧波(にんぽう)市杭州湾新区庵東鎮(あんとんちん)。同省内にはかつて、コウノトリが飛来していたものの、急速な都市化や農薬、化学肥料による環境悪化などの影響により、今ではその姿を見られないそうです。

現在、コウノトリの生息数は、東アジアを中心に、2500-4000羽と言われています。日本での取り組みが中国でも引き継がれ、コウノトリが東アジアの空をはばたき続けることを願うばかりです。



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このニュースの地域

浙江省、中国 (アジア/オセアニア

奥山 賢治