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Biodiversity

UAEとモンゴルが人工巣でハヤブサ保護へ

2010.10.04 高橋 彩

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A saker falcon with very strong lenses:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by e³°°°

UAEとモンゴルが9月21日、野生のセーカーハヤブサを保護するためのプロジェクトに合意しました。このプロジェクトは、モンゴル中央部の草原に人工巣を5000個設置し、ハヤブサのヒナを増やすことを目的としています。今後5年間に渡って科学者が経過を観察。モンゴル人スタッフにも給料を支払い、密猟を減らし、保護意識を高める動機づけになるよう期待されています。

モンゴルに生息するセーカーハヤブサは、多くがえさのげっ歯類が豊富な平地に集中しています。ポールの先に取り付けられた、金属の大きな缶の人工巣でハヤブサたちは子育てすることができ、科学者も成長過程をたどることができるのです。

専門家は、モンゴル人の「単純に、自然のままにしておく」という仏教精神が鳥を繁殖させてきたと言いますが、密猟者の出現によりその数は減少しつつあります。密猟をなくす唯一の方法は取り締まることですが、野生動物取引の規制は国境という「抜け道」があるために難しく、パキスタンやアフガニスタン、カザフスタンなどの国では国境をパトロールする余裕がないのが現状です。そこで、プロジェクトの窓口であるアブダビ環境庁の支援が、モンゴルの農民や遊牧民が密猟者を報告する後押しになるよう期待されています。

また、今回の環境と野生動物についての合意が、両国間の社会・経済の相互交流へと広がっていくことも期待されています。鷹狩りに欠かせないセーカーハヤブサは、UAEにとっても重要な遺産であり、両国共通の遺産なのです。

人間にとっては非常に有意義なプロジェクト、新居に引っ越した当人(鳥?)たちには気に入ってもらえたのでしょうか。



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UAE、モンゴル (アジア/オセアニア

高橋 彩