Biodiversity
2010.12.24 平澤 直子
Morning Glory at Yellowstone National Park. All Rights Reserved, Photo by Shio Murakami
この青い部分には、生物が居ない。熱すぎて生物が住めないのだ。乱獲や気候変動によって生態系が崩れ、そこに居るべき生物が居なくなってしまえば、世界は一面青に染まってしまうかもしれない
漢方で元気になる。ハーブやアロマでいやされる。そんなスタイルがすっかり定着した昨今ですが、その裏では、原料植物が危機にされているのをご存知ですか?
10月の生物多様性条約第10回締結会議(COP10)に合わせて行われた、薬用植物の保全に関するワークショップ。これを受け、ハーブとアロマの専門店「グリーンフラスコ」(世田谷区)では「緑の薬箱を救え!」と題したプロジェクトを発足、去る12月16日には第1回プロジェクトミーティングが行われました。
このミーティングのスピーカーの一人、TRAFFIC East Asia Japanの金成かほるさんによれば、5-7万種といわれる薬用・アロマティック植物のうち生育が脅かされているのは約1万5000種。私たち日本人になじみの深い生薬「甘草」もそのひとつです。
これを食い止めるために、ドイツ連邦自然保護庁、TRAFFIC、WWF(世界自然保護基金)、IUCN (国際自然保護連合)は共同でISSC-MAP(International Standard for Sustainable Wild Collection of Medical and Aromatic Plants; 薬用・アロマティック植物の野生からの持続的な採集に関する国際基準)を開発、野生保護と利用のバランスを図ってきました。そして2008年、これにフェアトレードの要件を加えた「フェアワイルド認証」が登場。現在では、「フェアワイルド基準」version 2.0 (2010年夏改定)に沿って、企業が採取方法をモニタリングし、仕入れ価格にプレミアムを乗せるなどの取り組みが行われています。
私たちをいやしてくれるハーブにアロマ。放っておいては消えてしまうものなのだと気づいたからには、早速フェアワイルドマーク(※)を探してみてください。
※フェアワイルド認証を受けた製品にのみ使用できるマーク
関連するURL/媒体
http://www.herblaboratory.com/2010/12/post-a2fe.html