Biodiversity
2011.01.26 奥山 賢治
Isn't it a nice coral reef?:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by sarnau
大手鉄鋼メーカーのJFEスチールが1998年に世界で初めて開発したサンゴ礁造成用ブロック「マリンブロック」。その正体は鉄鋼の製造工程で副産物として生じる鉄鋼スラグ(かす)に二酸化炭素を吹き込み、固めたもの。サンゴや貝殻と同じ主成分で、海藻やサンゴの着生効果があり、現在、国内では33カ所に設置。幼生のサンゴが直径40センチにまで成長した実績もあります。
そして、2010年12月には、海外初となるマリンブロックの実証実験が始まったことが発表されました。場所はインドネシア・スラヴェシ島の海域。2007年から開始された、東京海洋大学と現地のサムラトランギ大学による、サンゴ生育環境の共同調査で、マリンブロックにサンゴ幼生の着床と生育効果を確認したことから、今回、本格的な実証実験に乗り出すこととなったわけです。この結果は国際的研究機関「東アジア・ASEAN経済研究センター」で報告される予定で、東アジアのサンゴ礁再生のモデルとなることが期待されています。
使用用途がなければ、産業廃棄物としてコストをかけて処分しなくてはならない、鉄鋼スラグですが、マリンブロックとして、地球上のサンゴ礁再生に大いに貢献してくれそうです。
関連するURL/媒体
http://www.kankyo-business.jp/news2010/20101215b.html