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Biodiversity

ジャワサイ、唯一の生息地で繁殖を確認

2011.03.03 大野 多恵子

世界でたった40頭のジャワサイ。その最後の生息地といわれるインドネシア、ジャワ島のウジュン・クーロン国立公園で、2010年の終わり、WWFインドネシアと公園管理局が設置したビデオカメラが、繁殖を確認する撮影に成功しました。11月には、ジャワサイの母親とオスの子サイが、12月には別の母親と1歳ぐらいのメスのサイが歩く姿をとらえ、このほど動画が公開されました。


母サイとメスの子どものサイ(2010年12月撮影)
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WWFは、1960年代からこの地域でジャワサイ保護活動に力を入れ、過去10年間に14頭の子サイの撮影に成功しています。しかし、その多くがオスだったことから今回メスの子どものサイを確認できたことは、この公園に生息する個体群が将来的にも存続可能であることを示す朗報となりました。

この公園では密猟を厳しく取り締まることに成功していますが、ジャワサイに限らずどんな生物にとっても、ある一カ所のみに生息地が限られることは、種の存続にとって危険な状態です。ジャワサイは、動物園など飼育下にあるものがおらず、万が一この生息地の個体群が、伝染病や地震、津波などに襲われた場合には、この種が地球上から姿を消す可能性が高いことを意味します。

このためWWFでは、約半世紀にわたるこれまでの保全活動で培った経験を生かし、現在の生息地から一部の個体を他の地域に移すことで、生息地を分散して個体数を増やそうという新たな取り組みを計画しています。



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インドネシア (アジア/オセアニア

大野 多恵子