Biodiversity
2012.03.22 平澤 直子
免疫力の強化に使用されるハーブ、エキナセア
(c) GREENFLASK Co.,Ltd
「ハーブを救うお買いもの!?-私たちだからできる、薬用植物のまもりかた」と題して3月15日、薬用植物を守る商品の選び方が議論されました。これは、「緑の薬箱を救え!」プロジェクト(※)の第5回グリーンゼミ。5回目の今回は、初の消費者主体のプレゼンテーションでした。
プレゼンターは、ハーバルセラピストでありアロマテラピーアドバイザーである清水圭子さん。企業の社会的責任(CSR)の調査研究が本業である彼女は、薬用植物由来の製品を選ぶ方法になりうる複数の手段を紹介しましたが、中でもわかりやすかったのが「ラベル・マークによる商品の判別」。ラベル・マークの例としては以下が挙げられました。
1.フェアトレード認証ラベル
公平貿易、つまり、弱い立場にある生産者や労働者に対し、より良い貿易条件を提供し、かつ彼らの権利を守ることにより、持続可能な発展に貢献する貿易を行っている製品につけられるラベル。現状、ハーブやスパイスといったアロマ植物を含む食品につけられることが多いようです。
2.カーボンフットプリントマーク
商品のライフサイクルにおけるCO2排出量を見える化したマーク。グラム単位の数値が示されており、数値が小さいほどCO2排出量が少なく、環境に優しいと判断できます。食品、衣料品、家具など、その対象製品は多岐に渡ります。
3.FSCマーク
森林管理協議会(FSC)による認証マーク。「森林管理の認証」と「生産・加工・流通過程の管理の認証」からなります。木を原料とした製品が対象であるため、このマークのついた商品は木材や紙製品が多いのですが、意外なところでアロマオイルもその対象となっています。
4.フェアワイルドラベル
薬用・アロマティック植物の「野生保護と利用のバランス」、「フェアトレード」の2つの観点から、要件を満たした製品にのみ使用できるラベル。対象(PDF)は、 薬用・アロマティック植物と、それを原料にした食品、化粧品、ハーブティーなどです。
では、これらラベル・マークの意味を認識し商品を選ぶことは何を意味するのでしょうか?
それは消費者が、フェアトレード、森林保護といったそれぞれの基準を支持するという意思表示。プレゼンテーションで紹介された言葉を借りれば、「買い物」はいわば「投票」なのです。消費者の選ぶ一杯のハーブティー、一瓶のアロマオイル、一包の漢方薬。これらへの「投票」が薬用植物を絶滅から救い、生産地の自然環境や収穫者の生活を守る。そんな意識で買い物をする人が増えることが期待されます。
※ 薬用植物の絶滅危惧について考え、行動していくプロジェクト。グリーンフラスコ研究所(世田谷区)とトトラボ School of Herbal Medicine(神奈川県川崎市)の共催。
(協力:月刊ソトコト)
関連するURL/媒体
http://www.herblaboratory.com/2010/12/post-b54d.html