Biodiversity
2009.04.04 中川 真琴
(C)Makoto Nakagawa
ディズニー映画、ファインディング・ニモでおなじみのクラウンフィッシュ。ニモとお父さんは一緒に暮らしていましたが、本来この魚はふ化直後に大海原へ流された後、自分たちの家となるイソギンチャクを見つけ、親と離れて暮らします。
どのくらい離れて暮らしているのか? 今まで解明されていなかったこの疑問が、 サンゴ礁研究団体(オーストラリア)のジェフ・ジョーンズ教授らによるオレンジクラウンフィッシュのDNA調査で明らかになりました。海洋保護区設置が提案されているパプアニューギニア、キンベ湾での調査では、そこに定住した40%のオレンジクラウンフィッシュが、最長35キロメートルもの旅を経て生まれ故郷に帰ってきていたことがわかりました。体長数ミリの幼魚にとっては大冒険。また、10%は近隣の海洋保護区からきた幼魚でした。
ジョーンズ教授らは、海洋保護区がその保護区内の個体数安定と共に、近隣の保護区の個体数安定にも貢献していると分析しています。孤立している、小さすぎる、または大きすぎるといった保護区ではなく、計画的な海洋保護区の設置が、サンゴ礁にすむ魚たちの保護に効果的ということです。
関連するURL/媒体
http://www.coralcoe.org.au/news_stories/marineparks.html