Biodiversity
2009.05.16 高田 久代
インド洋に浮かぶマダガスカル島で、約200種のカエルが新たに発見されました。マダガスカルの両生類の数がほぼ倍増する大発見ですが、政治的に不安定な国の情勢がカエルや他の生き物たちの将来をおびやかしています。
スペイン科学研究高等会議(CSIC)が実施した調査は、マダガスカルの170カ所以上で2850匹のカエルを収集し、DNA鑑定を実施。その結果、少なくとも129種、最大で221種の新種とみられるカエルを確認したと、アメリカ科学アカデミー紀要の5月号に発表しました。
独自に進化を遂げたユニークな動植物が多くの観光客を魅了し、年間3億9000万ドルの観光収入があるマダガスカル。今回の発見は、その豊かな自然がこれまで過小評価されてきたことを示しています。
一方、政権交代をめぐり混乱が続いているマダガスカルについて、研究者たちからは憂慮の声が聞かれ、スペイン国立自然科学博物館の研究員デービッド・ビエイテス氏は「不安定な政情が国立公園内の森の伐採を許している。保護区のネットワークづくりが計画通り進むか難しい状況だ」と話しています。
関連するURL/媒体
http://www.reuters.com/article/scienceNews/idUSTRE5453XU20090506