Biodiversity
2010.02.19 西久保 美千代
Monarchs in motion:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by farflungphotos
長距離渡り蝶として有名なモナルカ蝶(オオカバマダラ)。この蝶の羽のサイズが、長距離飛行を必要としない中央アメリカやカリブ海の熱帯の島々にすむ同種の蝶に比べて大きくなっていることが2月12日、米ジョージア大の専門家の研究でわかりました。4000キロの距離を移動するモナルカ蝶の生物的進化によるものだそうです。
この蝶は、北アメリカでは最も多く観賞できる種のひとつとして知られています。毎年8-10月にかけて越冬のため、中央アメリカ(主にメキシコ・ミチョアカン州)へ集団で渡り、春になるとアメリカやカナダへ帰っていきます。
この長距離渡航に耐えうる頑強な体を持つモナルカ蝶の飛行期間は約2カ月。モナルカ蝶も含め、蝶の平均寿命は数週間と言われていますが、南下して越冬する世代のモナルカ蝶だけは数カ月生き延びます。北上する世代になるとまた普通の平均寿命に戻り、越冬した蝶が北アメリカの地を踏むことはありません。
神秘に満ちた非常に美しい蝶。この蝶の驚くべきパワーによって、現在は自身の元来の羽のサイズより20パーセントも大きく成長しています。地球温暖化により、渡り蝶の越冬が必要なくなってしまった、なんてことがないよう、私たち一人ひとりが生物の大いなる進化を見守っていきたいものです。
関連するURL/媒体
http://www.nacion.com/ln_ee/2010/febrero/12/aldea2263664.html