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2013.02.27 瀬戸 義章
Class for Everyoneの教室で学ぶフィリピンの家族
photo by Class for Everyone
Class for Everyone(事務局:千葉県浦安市)は、フィリピンを中心に活動しているNPOです。彼らが目指すのは、貧困問題を解決するためにスラムを活性化させ、新しい経済の流れを作ること。その一つの試みが、メトロマニラ(フィリピンの首都圏)にあるタギック地域で行われている「自営業を営む母親のためのビジネス教室」です。
フィリピンには自営業をしている人々がたくさんいます。国民の25%が自営業者という統計もあるほどです。実際に町を歩けば、道ばたで総菜を作って売るお店や、お米や調理用の炭を小分けにして売るお店があちこちにあります。こうした店舗は、母親が家計の副業としてやっているケースも多いのですが、実は、彼女たちのほとんどは、どんぶり勘定で商売をしています。頑張って仕事をしていても、その商売が赤字であれば、貧しさから抜け出すことはできません。
Class for Everyoneの代表である高濱宏至さんがホームステイした先の母親も、その一人でした。彼女は、フィリピンのかき氷である「ハロハロ」を作り、販売していました。ところが、そのビジネスが黒字なのか赤字なのか、分かっていなかったのです。カップやシロップなどの買い出しに高濱さんが同行して、原価計算をしてみたところ、小サイズのハロハロをひとつ販売して得られる利益は、日本円にしてたったの0.5円でした。一方、大サイズのハロハロであれば、ひとつで約10円の利益になっていたのです。それなら、大サイズを売ることに注力した方が、本当の意味で生活費が稼げる、ということになります。
「母親のためのビジネス教室」では、まず、お金の出入りをノートにつける習慣から教えます。そして、パソコンを使って月ごとにどれだけ儲かったのか、あるいは赤字なのかを勘定できるようにします。母親がパソコンをなかなか覚えられないのであれば、子どもが代わりにエクセルを操作します。そうやって小さいうちからパソコンのスキルを身につければ、将来的に仕事に就けるチャンスも増えるというわけです。
Class for Everyoneの活動は、2011年の6月からスタートしました。最初のプロジェクトは、フィリピンの地方に住む高校生のために、オンライン教材を提供することでした。しかし、スラム街の人々と接するうちに、学位があっても、生きるための仕事が手に入るわけではない、ということに気づきます。そこから、ビジネス教育へと活動をシフトさせていきました。
まずは、スラム街での自営業者黒字化モデルを成功させること、そして次に、極貧困層であるストリートチルドレンに対して起業支援を行うことが、高濱さんたちの目標です。
「フィリピンには多くのストリートチルドレンがいます。ぼくはカゴ売りの女の子といっしょに町中を歩きまわったことがありますが、本当にたくましい子でした。こういった子たちに、ビジネスを自ら創造する教育ができれば、きっと凄いことが起こると思うんです」
Class for EveryoneはITの活用を基盤にしており、フィリピンだけでなくアジアやアフリカの発展途上国へ、日本で不用になったパソコンを集めて、届けるという活動もしています。貧困層の人々が自ら生きる力を得るために、押し入れにパソコンが眠っている方は、ぜひお送りください。
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