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2010.09.08 宮原 桃子
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バングラデシュは、中国などと並ぶ世界的なアパレル製造拠点ですが、不当に低い賃金、休憩もないほどの長時間労働、児童労働など様々な問題が蔓(まん)延しています。
バングラデシュでは2006年以来、最低賃金が月額約2000円に定められていますが、そもそも低い水準である上、ここ数年で生活費は約2倍に上昇したと言われ(公式なインフレ率は約7-10%)、労働者たちは苦しい生活を強いられています。
6月、首都ダッカで約5万人の衣料工場労働者が最低賃金の引き上げを求めてデモを行ったのを皮切りに、労働者が次々と立ちあがっています。これに対し、政府は7月27日に衣料産業の最低賃金を約2倍にすると発表。
しかし、ほとんどの労働組合は少なくとも約3倍(約6500円)は必要であると主張。現在も各地で抗議活動が続き、労働者組合の代表者が逮捕されるなどの事態に発展しています。
欧州でもこの動向に注目が集まる中、衣料産業の労働環境改善を働きかける世界的団体Clean Cloths Campaignのスイス支部では、10月9日まで、衣料産業の劣悪な労働実態に関し、複数の企業を名指しするなどしてオンラインで抗議キャンペーンを行っています。
バングラデシュ労働者の抗議は、企業のみならず私たち消費者にも向けられているのではないでしょうか。安くてかわいいからと何も考えずに洋服を買う消費者の姿勢が変わらない限り、彼らの抗議が報われることはありません。
関連するURL/媒体
http://www.afpbb.com/article/economy/2744940/6026689