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2011.03.21 宮原 桃子
フェアトレード認証ホワイトゴールド、コンフリクトフリー・ダイアモンド使用
ジュエリーといえば、結婚式や誕生日、記念日など特別な日に贈られるもの。そのきらきらと輝く美しさに魅了され、多くの人が高額の商品を買い求める一方、ジュエリー原石の採掘現場では、劣悪な労働環境や低賃金、児童労働、健康被害、紛争との関与、環境破壊など、恐るべき事態(PDF)が起きているのは皮肉なことです。2006年に製作されたレオナルド・ディカプリオ主演の映画「ブラッド・ダイアモンド」でも、紛争の資金源となるダイヤモンド採掘の現状が描かれ、話題となりました。
こうした現状への批判を受け、ジュエリー業界では近年「エシカル・ジュエリー(倫理的に配慮された)」「コンフリクト・フリー・ジュエリー(紛争の資金源となっていない)」などというコンセプトのエシカル・ビジネスが芽生えつつあります。また倫理的に配慮されたジュエリーに関する認証制度として、ダイヤモンドが紛争の資金源になっていないことを保証するため、2003年より政府間協定である、「キンバリー・プロセス認証制度」が発足、75カ国(2008年11月時点)が参加し普及しています。しかし、これはダイヤモンドと紛争関与に限られた認証制度で、労働環境や賃金、環境保護などの点はカバーされていませんでした。
そこで2010年3月より、国際フェアトレードラベル機構(FLO)では、ゴールドの、フェアトレード&フェア採掘認証制度(PDF)をスタート。この2月に世界で初めてフェアトレード認証ゴールド・ジュエリーが発売されました。英国老舗ジュエリーブランド、GARRARDと、同じく英国でエシカル・ジュエリーのパイオニアとして知られる、CREDなど3ブランドからまず発売。現在では、英国の20ブランドとカナダの1ブランドが認証ゴールドを使った商品開発を進めています。日本にはまだ認証ジュエリーはないものの、フェアトレードのコンセプトで展開しているブランドHASUNAなどの例に見られるように、今後エシカル・ジュエリーの広がりが期待されます。
人生の記念や大切な人に贈るジュエリーこそ、見た目だけでなく、本当の意味で世界にとって美しいジュエリーを選びませんか?
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