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2010.03.21 宮原 桃子
米国大手アイスクリーム・ブランドBEN&JERRY'S(以下B&J)は、2013年末(欧州では2011年末)までに全商品の原料をフェアトレードで調達する(※)と発表しました。
1978年創業の同社は、2005年よりアイスクリームチェーンとしては世界で初めてバニラやカカオ、砂糖、バナナなどのフェアトレード原料を使い始め、現在欧州で4種類、北米で5種類の商品がフェアトレード認証を取得しています。
同社は社会貢献意識が高く、フェアトレードのほか、再生エネルギーによる生産(オランダ工場)やカーボンオフセット事業、平和教育、様々なNPOへの寄付基金など積極的な活動をしています。
近年、企業のCSRが重要視され、多くの企業が社会貢献事業を展開していますが、例えばフェアトレード分野では、ほんの一部の商品のみをフェアトレード化する一般企業が増えています。「何もしないより、まずは小さな一歩から」といった声が多い一方、「それ以外の商品や事業を正当化している」との批判もあり、賛否両論です。
こうしたトレンドの中で、今回のB&Jによる全商品フェアトレード化の方針は、一般企業として画期的な決断と言え、今後のビジネスの潮流を刺激するものになるのではないでしょうか。
※今後全商品をフェアトレード認証原料で生産する予定だが、例外として牛乳・卵(北米・欧州で調達)はフェアトレード認証ではなく、生産者と環境に配慮した酪農法「Caring Dairy」による牛乳、放し飼いの鶏の卵を使う。フェアトレード同様に生産者及び環境に配慮した形で生産されているとのこと。
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