Business
2010.03.04 関 和音
3月から4月にかけては就職活動のピークの時期です。昨今の厳しい経済情勢を受け、就活生の傾向にはある変化が見られます。
就職情報会社ジェイ・ブロードが、就活期の大学3年生、大学院生計約10万人を対象にアンケート調査を実施したところ、全体の9割近くが「企業選択をする上でCSRという視点は必要」と答えたとのことです。
今回の結果から、学生の間では事業規模や年収、ブランド以上に「事業のミッション(社会的使命)」が企業選択の上で重視されてきていることがうかがえます。ビジネスとして社会問題の解決に取り組む「社会起業家」に対する注目も、上のような意識の高まりの表れと言えるでしょう。
しかし、日本企業のCSRは寄付や慈善活動と同列に語られる事も多く、欧州で一般的な「持続可能な社会を実現するための未来への投資」としての認識はまだ十分には根付いてはいないのが現状です。
環境省の「環境にやさしい企業行動調査」(2008年度)によると、CSR報告書及び持続可能性報告書などを含む環境報告書を作成・公表している企業は1160社と有効回答数の半分以下です。
学生のCSR活動への関心が高まるなか、企業にはCSR活動をより打ち出す姿勢と有効性の検証が求められています。また、就活生もCSRの意義を理解した上で企業選択を行う必要があるでしょう。
より積極的により有効なCSR活動を行う企業に、より魅力的な学生が集まる。そのような好循環が新卒採用の現場で生まれることを期待したいと思います。
関連するURL/媒体
http://job.yomiuri.co.jp/news/special/sp_10020801.htm