Climate Change
2009.03.31 山田 由美
日本各地で桜の開花宣言が聞かれる今日このごろですが、その繰り返しを約1200年分ひも解いて気候の移り変わりを読み取った研究が発表されました。
大阪府立大学の青野靖之准教授は、京都の天皇、公家、僧侶、商家などによって書かれた古い記録から花見や満開の記述を拾い集め、ヤマザクラがいつ満開になったのかをデータとして整理し、そこから3月の京都の気温を導き出しました。
ヤマザクラの満開日は3月の気温を用いて精度の高い予測ができることから、青野准教授は逆に満開日から3月の気温を推測する手法を思いついたのです。集めた約1200年分のデータから逆算したところ、太陽の活動が活発だった13世紀ごろの温暖期は、気温が7度以上になる暖かい年も多く、17-19世紀は安定的に気温が低かったことがわかりました。
最近200年では気温が約3度上昇しているとのことですが、これは近畿地方全体の気温上昇と都市昇温の両方の影響があると考えられています。1200年もの間、変わらずに桜を愛でる気持ちがなければ成立しない研究です。
関連するURL/媒体
http://www.asahi.com/science/update/0322/OSK200903220003.html