Climate Change
2010.04.26 ささ とも
ICELAND VOLCANO/:Creative Commons,Some Rights Reserved,Photo by plasmastik
欧州航空網を混乱させたアイスランド火山噴火。今後気候への影響はあるのでしょうか。米科学者団体「憂慮する科学者連盟(UCS)」が4月16日に発表したリポートによると、一時的な寒冷化が予測されています。火山ガスが成層圏に到達するとエアロゾルとなって鏡のように太陽光を宇宙に跳ね返すことで地上の温度を下げるためです。1783年に同じアイスランドで起きたラキ火山噴火では、気温低下による飢饉(ききん)がフランス革命の一因となったという説があります。
今回の噴火は今のところ温暖化を相殺させるほどの規模ではないようです。吹き上がった火山ガスは約17キロ上空に到達しましたが、20世紀最大の1991年のフィリピン・ピナツボ火山噴火による火山ガスはそれを上回る約24キロ上空にまで達したものの、気温低下は数年で終わり、依然として温暖化は進んでいます。
「気候変動は単に地球温度の調節という問題ではない。最悪の事態を避けるために二酸化炭素の排出を大幅に削減することが賢明だ」とUCS気象科学者のブレンダ・エクワゼル氏は指摘しています。世界は今後も長期的な時間枠での温暖化対策が求められます。
関連するURL/媒体
http://www.ucsusa.org/news/press_release/iceland-volcano-eruption-too-effect-climate-0376.html