Climate Change
2010.02.07 アマサワエンジィ
1月27日、米証券取引委員会(SEC)は、企業が投資家向けに各社の事業リスクを開示する際、温暖化の進行に伴うリスクも開示するよう求める指針を策定したと発表しました。今まで様々な環境問題に関連する法や財務上のリスクを上場企業に開示するよう求めてきたSECですが、気候変動に特定して指摘を示したことはありませんでした。気候変動を経済リスクとして明確にしたのはこれが初めてです。
SECのメアリー・シャピロ委員長はこれについて、「私たちは気候変動の有無、速度、原因について述べているのではない」と強調。そして、「上場企業は企業間の競争激化にしろ、悪天候にしろ、直面する重大なリスクは公開しなければならない。こうした原則の重要性が情報公開の骨格の基盤を形づくっている」とし、温暖化リスクの開示が、他の事業リスクと変わらない論理に基づくものであることを主張しました。
SECは、3対2の採決で、企業が気候変動に関係した事業リスクをいつ、どのように開示すべきかといった「解釈」をまとめた手引書を発表。今回の策定は投資家や環境団体によるグループが、過去に何度か気候変動に関する事業リスクの開示の必要性をSECに訴えていたことが影響しています。今後法的に開示を義務付ける意図はないものの、気候変動関連の法規則の影響を開示情報の一環として検討することを企業に求めています。気候変動に関連した情報が、投資家にとって今後ますます重要度を増していくことは間違いなさそうです。
関連するURL/媒体
http://www.nytimes.com/2010/01/28/business/28sec.html?th&emc=th