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東北と地球環境の新たなる一歩を 地球環境映像祭が宮城で開催

2013.03.24 菊地 将史

映画「模索-原発ができなかった町で」(監督:苅田章)より 写真提供:アースビジョン事務局

宮城県登米市で3月22日から24日まで開催されているアース・ビジョン地球環境映像祭20+1(にじゅうプラスワン)。アース・ビジョンは、1992年のリオサミットを機に、アジアではじめて地球環境をテーマにして開催された国際映画祭です。今年度は世界25の国と地域から121作品の応募がありました。20+1の意味は、リオサミットから20年の節目を迎えてアース・ビジョンが次なる一歩を踏み出していくという決意の意味と、東日本大震災と原発被害に見舞われた東北が新たな一歩を踏み出せるような映像祭になってほしいとの思いからつけられました。

今回、はじめて東京を離れて東北で開催したのは、アース・ビジョンが震災以後、遊ぶ場所を失った子どもたちに登米市や南三陸町で映像作品を提供するボランティア活動を続けていたことがきっかけでした。20年間培ってきた映像の分野で東北に元気を与えたいと思い、宮城県で活動している日本の森バイオマスネットワークとともに2011年の夏から映像作品の上映を繰り返していました。そこで両者が痛感したのは、環境教育と防災教育の根幹は自然環境への理解を深めるということでした。そうすることで環境問題への関心も高まるし、同時に自然災害への備えも出来ます。そこで、21回目のアース・ビジョンは甚大な被害のあった宮城県で開催されたのです。

プログラムは環境や防災、そしてエネルギー問題を意識して構成されています。今年度「子どもアース・ビジョン大賞」を受賞した「模索-原発ができなかった町で」(監督:苅田章)では、1963年に原発の候補地となった三重県芦浜で賛成・反対と対立を深めた住民が、豊かさとは何かという大きな課題を模索し続けてきた姿が描かれています。特別上映作品「東北の森から明日を考える-木質バイオマスで拡がるエネルギー自立の試み」(監督:伊賀俊徳)では、震災直後から避難所にペレットストーブを提供したことで注目された木質バイオマスエネルギーを、今後は地域活性に生かしていこうとする取り組みが紹介されています。また、23日に行われたシンポジウム「地域・森林・エネルギー・循環する生命-くらしを変える 未来が変わる」では田中優さん(ap bank監事)、古川正司さん(さいかい産業取締役開発隊長)、大場隆博さん(日本の森バイオマスネットワーク副理事長)が森林資源を利用した暮らしのあり方、エネルギーと地域、循環型社会について考えました。最終日のシンポジウム「環境教育・防災教育・文化-続・東北からの明日への提言」では、辰野勇さん(モンベルグループ代表)、千葉正海さん(マルタ拓洋水産代表取締役)、長田啓志さん(海洋研究開発機構東京事務所長)、佐々木豊志さん(日本の森バイオマスネットワーク理事長)が恵みにも災いにもなる自然との付き合い方について、環境教育と防災教育の双方の取り組みを例に出して話します。

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田中優さんらをパネリストに迎えた23日のシンポジウム photo by Masashi Kikuchi


東日本大震災を経験した私たちが踏み出す一歩を後押ししてくれる宮城県登米市での映像祭。宮城県に住んでいる私も、復興に向けた一歩を踏み出していきたいと思います。



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