the Earth
2013.10.18 山田 由美
新しい島に見物人が押し寄せる様子を伝えるMail Onlineの映像
9月24日、世界で一番新しい島が誕生しました。パキスタンのアラビア海に面したバローチスターン州の海岸から約600メートル離れた海上に突如出現したこの島の名前は「Zalzala Koh」。約380キロ離れた内陸の場所で起こったマグニチュード7.8の地震がきっかけで海から出現したのです。
アメリカのNASAが公開した地球観測衛星の画像を見ると、それはまるで「泥んこで出来たパイ」のよう。これは泥火山といって吹き出したメタンガスが泥を吹き上げることで、その周りに形成される泥の山なのです。今でもガスが噴出していて引火の危険性もあるというのに、島には見物人が船で押し寄せて観光地さながらのにぎわい。表面には魚や貝の死骸が散らばり、ガスがシューッ!と音を出しています。
しかしこの島は消える運命にありそうです。NASAの見解によると地下に残っているガスが冷えると、しぼんでだんだんと崩れていくのだそう。また海の波や嵐、潮の満ち引きなどの影響で、もろい砂や泥は流されてしまうのです。
この地域では1999年や2010年にも島が出来て1年以内に消滅していったことがありましたが、いずれも雨風の強いモンスーンの時期に消えてしまったそう。歴史をさかのぼると1968年に出来た島は1年間持ったようです。
パキスタンは日本同様地震の多い国。地球のダイナミックな息づかいが感じられる貴重な場所ですが、さすがにこの島に行くのは危険なのでビデオで探検してみてください。
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