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「災害も温暖化も宇宙から見守ります」H2Aロケット打ち上げ成功

2014.06.02 ささ とも

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© JAXA


5月24日、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット24号機が打ち上げられ、搭載されていた人工衛星「だいち2号」が高度約630キロの軌道に投入されました。「だいち2号」は2011年5月に運用が終了した「だいち」の後継機で、レーダーを使って地図の作成や地域の観測のほか、災害が生じた場合の被災地情報を迅速に詳しく把握することができます。

「だいち」は2011年の東日本大震災が発生した際に被害地域の状況をいち早く捉え、国や自治体に情報を提供して大活躍しました。今回打ち上げられた「だいち2号」は「だいち」と比べてさらに高い技術を備えています。「だいち」の地上の物体を見分ける能力は10メートルでしたが、「だいち2号」は1から3メートルと向上。また、観測できる範囲を3倍(870キロ→2320キロ)に拡大しました。将来発生が予想されている東海・東南海・南海地震、首都直下型地震や、大規模水害といった巨大災害が発生した際の利用が期待されています。また、「だいち2号」が収集する高精度データは、オホーツク海の海氷の観測や森林違法伐採の監視、農作物作付けの把握など、地球規模の温暖化・環境変化の対策に利用される予定です。

「だいち2号」の大きさは長さ10メートル、幅3メートル、重さは約2トン。この大型衛星とともにH2Aロケットに相乗りしたのが4機の超小型衛星です。和歌山大宇宙研究所が共同開発した「UNIFORM-1」の大きさは一辺わずか50センチの立方体で重さは約50キロ。森林火災を検知し消化活動に役立てることが狙いです。ほかにも、宇宙で構造物をつくる方法として「複合膜面構造物」を宇宙での展開を実証する日本大学の「SPROUT」、高解像度で地球を撮像して天気予報などに利用する東北大学の「RISING-2」、バス機器の汎用性を高めた小型衛星の「標準バス」の実証を目的とした株式会社エイ・イー・エスの「SOCRATES」が搭載されました。

こうした超小型衛星の相乗りは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、宇宙開発の利用の裾野を広げ、人材を育成するために、民間企業や大学が製作した小型衛星を打ち上げる機会を提供して実現されました。



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